2017年2月13日月曜日

余暇活動と発達性協調運動障害の問題


あねぞうさん作 うちの三きょうだい


フラフープ、以前、我が家にもありました。


あれ、案外難しいんですよね。


あだきちくんは、とうとう出来ないままだったと思います。


縄跳びも苦手でした。
体全体を連動させることが、あだきちくんは、とても苦手です。

けれども、体を動かすことが嫌いかというと、そういうわけではありません。

ブランコが大好きで、介護施設のお散歩でも、福祉サービスでのお出かけでも、よく公園のブランコにつれていって貰っています。

ブランコは、幼児期に、自宅の居間に、ぶら下がり健康器を改造した手製のものをこしらえて、それが壊れてしまうまで、猛烈に乗りました。


歩くことも、嫌いではありません。
お散歩、買い物は、大きな楽しみの一つです。買い物のときには、重い荷物を背負って、良く歩いてくれます。

バランス感覚も、決して悪くありません。
ころぶことは、まずありません。平均台的なものの上を歩くことも、得意です。


でも、フラフープや縄跳びは、どうしても習得できませんでした。
そういえば、自転車漕ぎも、かなり苦手です。
あ、キャッチボールも、相当困難です。

道具を使うというところに、困難があるのかもしれません。


あだきちくんの生活に、フラフープや縄跳び、自転車がからんでくることは、もうほとんどありませんので、がんばって習得する必要は、とくにありません。

人間誰しも苦手なことはありますし、気にしなくてもいいのですけれども・・・まあ、ちょっと気になることではあります。


ためしに、「自閉症,縄跳び」で検索をかけてみると、かなりの数、ヒットしますね。

おそらく同種の問題を抱えている発達障害の子が、たくさんいるのでしょう。

こうした問題は、いまは、「発達性協調運動障害」という言葉でまとめられているようですね。

Wikiにも、記事がありました。


協調運動とは、諸種の別々の動作を1つにまとめる運動を言う。たとえば、縄跳びは手で縄を回しながら、タイミング良く飛ぶという協調運動であり、かなり高度な協調運動である。ラジオ体操も、手と足、右手と左手等の動きが別々のものを統一して行うので協調運動の一種と言える。他にも、ボールが片手で投げられないとか、ドリブル(まりつき)ができない、自転車に乗れない等の困難を示すことがある。また、楽器の演奏や図工での道具を使うこともこの範疇である。 (wikiから引用)

そうそう、体操も、楽器演奏も、図工の作業も、あだきちくんには、困難です。

ボタンかけは、学校や療育教室で、丁寧に長い時間をかけて教えていただき、なんとかできるようになりましたが、いまでも、ズボンの前ボタンは、得意ではありません。


でも、器用さを求められるような行動が全部苦手かというと、そんなことはないのです。

ビーズ通し
小さなブロックを組み合わせて形を作る作業
積み木を、寸分のズレなく精密に積み上げる作業
マインクラフトで、画面を操作して、巨大な建造物を積み上げる作業
テレビゲームで飛行機を操縦する作業

これらは、あだきちくんにとって、得意中の得意です。

こうした作業は、たぶん、全身の動きを協調させる必要が少ないから、できるのでしょうね。


今後のあだきちくんの生活、とくに余暇の問題を考える上で、このことは、参考になります。


集団でのリクレーション活動の大半が、スポーツや体操、カルタ取りなど、全身の協調運動を要求するものであるため、参加できないことが多いのです。

しゃかりきになって克服する必要はないとしても、少しづつ、出来ることを増やしていけたなら、共同生活での楽しさが、増えるだろうなとは思います。

あだきちくん自身が楽しめる趣味は、協調運動の性質が強くないものを選んで、勧めていったほうが、楽しめそうです。





だっきたんぐるの、登場人物一覧

あねぞうさん……長女。20歳。あだきち君の通う介護施設でパートをしています。
あだきち君……息子。19歳。自閉傾向のある重度の広汎性発達障害。会話は困難。でも勉強大好き、新しいもの大好き。
ほげ子さん……末っ子。12歳。もうすぐ中学生。
おとーさん……お仕事の繁忙期。採点地獄。
おかーさん……ここのブログを書いてるひと。睡眠時間は五時間弱。更年期障害のピークでヨレヨレ。